風俗店摘発のニュースで聞く「禁止区域」って何のこと?
2024/03/01
風俗営業に関わる法律には色々ありますが、誰もが想像できるものといえば「風営法」や「売春防止法」などですよね。
無許可営業、18歳未満の雇用、客引き、名義貸しなど、逮捕や摘発の理由は色々ありますが、中でも一番多いのが「禁止区域での営業」であることは、実は知らない方も多いです。
思い切って風俗業界に飛び込んでみたけど、お店が摘発された!
・・・なんてことになったら、たまったもんじゃないですよね。
そこで今回は、風俗業界に飛び込むなら知っておきたい「禁止区域」について解説させていただきます。
風俗関係のニュースでよく聞くけど…
風俗店、ニュース、と続いて連想するワードと言えば「摘発(ガサ入れ)」が浮かんでくる方は多いのではないでしょうか。
そういったニュースで併せて出てくる単語に「風営法」「売春防止法」「禁止区域」といったものがあります。
風営法や売春防止法は法律の名前だとすぐに分かりますし、ぼんやりどういったものなのか想像がつきますよね。では「禁止区域」と聞いてすぐに何のことかわかるでしょうか。
ちなみに、風営法違反での検挙率が一番高いのがこの禁止区域での営業です。違反すると「2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金またはこれらの併科」となり、風営法違反の刑罰ではもっとも重いものとなります。
特に風俗業界歴が浅い、もしくは未経験からスタートした風俗スタッフの中にはこの禁止区域についての理解が乏しい方も多く、実は勤めたお店が禁止区域にある違法店だった…なんてことも少なくありません。
禁止区域って一体なに?
禁止区域は、端的に言えば「風俗店の営業が認められていない地域」のことを指します。風営法では風俗営業が出来る地域と、出来ない地域が決められています。
営業できない地域は一律に決められているわけではなく、法令で定める基準に従って各都道府県が定めています。営業OKと各都道府県が定めた地域内でなければ営業許可はおりません。
一般的な風俗店では事前に営業の届け出を提出して許可を得る必要があります。しかし、メンエスは非風俗であり、一般的な風俗店と違い風俗営業許可は必要ありません。
ではなぜメンエスが「禁止区域」での営業で摘発されることが多いのか。それはメンエスは前述した通りマッサージやリラクゼーション目的の非風俗として営業しているにも関わらず、性的サービスやそれに準ずる行為が認められたため摘発…となることが多いのです。
メンエスのような届け出不要の業種や、届け出を出していない違法風俗店などは「禁止区域での営業」を理由に摘発される可能性が高くなります。
どういう場所が禁止区域になるの?
ではどういった場所での営業が規制されているのでしょうか。
「住宅街や学校の近くかな?」と、なんとなく想像できるように【住居集合地域】や【保全対象施設】の敷地から100m以内の地域では風俗営業は禁止されています。
住居集合地域
第一種低層住居専用地域
第二種低層住居専用地域
第一種中高層住居専用地域
第二種中高層住居専用地域
第一種住居地域
第二種住居地域
田園住居地域
準住居地域
第一種低層住居専用地域は「良好な住環境を保護するために、10mまたは12mの絶対高さの制限や、敷地境界から建物の外壁までの距離を1mまたは1.5m離す外壁の後退距離制限などが定められている」地域のことで、簡単に言うと戸建てが並ぶ住宅街のことを指します。
第二種低層住居専用地域は「1~2階建ての低層住宅が建ち並ぶ住宅市街地の良好な住環境を保護すること」を目的とする地域のことで、こちらも主に戸建てメインの街並みとなりますが第一種低層住居地域との違いは、コンビニや150㎡以内の小規模飲食店などを建てることができる点です。
このように住居が集まっている地域のことを住居集合地域といいます。それぞれの区分で要件などは異なりますが、概ね想像できる「住宅街」と思って差し支えありません。
保全対象施設とは
学校
病院
診療所
児童福祉施設
図書館
風俗営業をする場合は、このような施設から一定の距離を置く必要があります。またこれらの施設の建設予定地も保全対象施設となります。
新たに風俗店をオープンさせるためには、しっかりとした調査が必要となります。
特定地域
地域によっては保全対象施設の一定距離内に店舗がある場合でも、風俗店の営業許可がおりる「特定地域」もあります。特定地域は「近隣商業地域及び、商業地域のうち風俗営業に関わる営業所が密集した区域で、特に風俗営業の規制にあたり支障がないと公安委員会が認めて告示する区域」のことを指します。
わかりやすい例をあげると、東京都だと銀座・新橋・新宿歌舞伎町・渋谷道玄坂のようなエリアですね。
まとめ
このように風俗営業を行うためには、まず店舗の場所での制限があります。
例外としては、デリヘルのような「移動風俗営業」においては、この制限は適用されず原則どこにでも事務所を置くことができますが、当然看板を掲げて受付を行うようなことは出来ません。
わかりやすい営業OKエリアである特定地域を除けば、禁止区域の基本的な考え方は簡単です。
住宅街のような半プライベートゾーンで、居住者以外の頻繁な出入りが歓迎されない場所→住宅街(住宅集合地域)
こどもの目につきやすい場所→学校・図書館・病院など(保全対象施設)
禁止区域での営業で摘発される多くの例は近隣住民からの苦情等から発覚します。
禁止区域外での無許可営業であれば許可をとりさえすればOKという場合もありますが、禁止区域となっている場所での営業は摘発待ったなしです。悪いことは意外とすぐバレるものです。
どんなに真面目に仕事をしていても、法律遵守が鉄則です。何もしていなくても目をつけられやすいのが風俗業界です。
知らなかったでは済まされないことがたくさんあるということを肝に銘じ、経営者ではなくとも、風俗業に携わる者としてしっかり風営法など基本的なことは勉強しておきましょう!