続!【ピルの正しい知識】店舗スタッフなら知って当然?!
2022/09/10
以前の記事でピルにまつわる誤解について解説しました。ピルは怖くないし、悪い物では全くなく、むしろメリットがたくさんあるんです。今回は、その効能について解説したいと思います。
説明していただいたのは、現役風俗嬢のMさんです。
はじめまして。ピル歴5年目の私が、ピル初心者の皆様方に知っておいて欲しいことを伝えます☆
ピルはこんな時に服用する
ピルはどんな場合に服用されるのでしょう。
主な効能を挙げてみます。
99%以上の避妊効果
ピルは飲み忘れてしまうと、避妊効果が無くなってしまいます。
でも正しく服用すれば、99%を超える避妊効果があります。
一般的な避妊法であるコンドームは、つけているのに妊娠してしまう人が約14%もいるくらい、失敗が多いです。
他の避妊法に至っては、病院での手術・処置を伴うものでない限り、お話にならない低避妊率なものが多いです。
因みに私は
- 彼氏がいる期間
- 風俗で働いている期間
は必ずピルを飲むようにしています。
だって何があるか分からないじゃないですか?
妊娠してから後悔したり悩むより、万が一に備えておく方が良くないですか。
生理の悩み
10代前半から50歳前後まで、約40年間、毎月やってくる生理。
生理の重さは、本当に個人差が大きいです。
3日くらいで済んで量も少なく、「うーん、まあちょっとお腹が張るかな?」という人もいれば…1週間みっちり、特に2日目、3日目は血まみれ、昼でも夜用ナプキンが手放せない、貧血もしょっちゅう、頭痛・吐き気・腰痛・腹痛・むくみでグッタリという人も…。
ひどい場合
月経不順:3ヶ月ぶりに生理がきた、反対に前回から3週間経たずしてまた生理
PMS:月経前になると、精神的にも肉体的にも猛烈に具合が悪くなる
月経困難症:生理中は日常生活に支障が出る、中には食事・外出も不可能な人も
こんな風になってしまうんです。
これが毎月のように何十年も続くなんて、厳し過ぎますよね。
これらを大幅に緩和することができるのがピルです。
月経で苦しんでいる女性にとっては救世主と言えます。
婦人科系の病気の治療
月経以外にも婦人科系の病気・不調は色々あります。
代表的なものが子宮内膜症です。
これはどういった病気かというと
本来、子宮の内側だけにある子宮内膜組織が、卵巣、腹膜など子宮以外の場所で増殖、剥離を繰り返すんです。
そしてこれは不妊の大きな原因になります。
ところがピルを服用することで、この子宮内膜症を治療することができるんです。
更年期・若年性更年期
ヒステリックな女性のことを
「更年期のオバサンw」
なんて呼ぶ失礼な悪口があるので、世間では更年期のイメージは良くありません。
政治家のように有名な人でも
閉経
↓
出産できなくなる
↓
役に立たない
なんてトンデモナイ発言をする人がいたりするから、困っちゃいますよね。
そもそも更年期とは何かも、きちんと分かってなさそうです。
女性の平均閉経年齢は50歳前後。
閉経に近付き始めると、ホルモンバランスが大きく変化します。
急激な変化に伴って、心身の様々な不調が現れる期間が更年期で、症状が重い場合を更年期障害と呼びます。
閉経の前5年、後5年を更年期と定義しているので、45歳~55歳くらいに更年期を迎える女性が多いです。
ですがこれはあくまで平均。
若年性更年期って聞いたことありますか?
30代、場合によっては20代でも、更年期と同様の症状が出る女性がいます。
何故なら更年期というのはただの名称で、実際には女性ホルモンなどホルモンのバランスの乱れによる不調ですから、何歳でもあり得るんです。
そして私達の体は、女性ホルモン以外にも様々な内分泌によって機能が維持されているんです。
何かの病気によって1つの内分泌や自己免疫が狂うと、その影響で他の症状が起こることだってよくあります。
この更年期・若年性更年期などもホルモン薬で改善できます。
ホルモン治療(ピル)に並行し、漢方やサプリの処方をしている婦人科も数多くあります。
ただ
- 症状が重い
- 日常生活に支障がある
といった場合は、やはり漢方やサプリではなくきちんとピルで治療することを勧められます。
ピルについて知っておくべきこと
若いうちから、自分の体を守る知識をしっかり持っておくことはとても大切です。
妊娠にしろ性病にしろ、15歳でも20歳でも、35歳でも40歳でも、きちんと対策しなければ同じようにやってきます。
若いからって無事で済むわけではありません。
また月経の苦痛には「我慢することに意義」なんてありません。
楽に過ごせるならその方がいいんです。
無駄な我慢は、こんなに品質の良い生理用品(タンポンやナプキン)がある時代に、意地になって脱脂綿や海綿を使い続けるのと同じ位無意味です。
そして婦人科系の病気は、普段から健診を受けたり自分の体の変調に敏感になっていれば、かなりの割合で予防したり早期に治療・回復することができるんです。
次のことをしっかり覚えておいて下さいね。
正しい知識を持つ
世の中には
女性が自発的に避妊をする
「ヤリマン!」
若い女性が婦人科を受診する
「ふしだら!」
自分の体を労わる
「怠け者!甘えてる!我慢が足りない!」
便利な物や新しい物を採り入れる
「母親失格!妻失格!女性失格!」
と脊髄反応する頭のおかしな人が一部いるようですが、そんな意見に振り回されていると、人生損しかしません。
家族や周りにこういう人がいると、すごく迷惑ですよね。でも今はインターネットなどで、専門家の見解をきちんと調べることができます。
正しい知識を持ちましょう。
病院で処方してもらう
ピルは処方薬です。お医者さんの処方箋なしに薬局では買えません。婦人科で一度は受診し、お医者さんのOKが出れば初めて購入できます。
また服用開始直後は軽い副作用が出る場合もありますし、継続して服用するなら、定期的に受診する必要があります。
体質・体調によっては、1年に数回ですが検査を勧められます。それが面倒臭く感じられ、ネットでピルを購入する女性がいますが、オススメはできません。
それらのピルは東南アジアなどの外国製であったり、製造元の信頼性が不明だったりするからです。
少なくとも
- ピルを始める時
- ピルの種類を変える時
- 体調に異常を感じた時
- 1年に1回以上
は病院へ行くようにして下さい。
行きやすい婦人科が近くにないという場合は、ピル専門クリニックでも構いません。ただし風俗で働いている女性は、性病検査や婦人科系の定期健診も兼ねられる婦人科をピル専門クリニックよりオススメします。
ピルはピル、コンドームはコンドーム、両方使う
ピルには高い避妊効果がありますが、飲み忘れや飲む時間が遅れてしまうことなどによって、妊娠する可能性はあります。
そしてピルでは性病は一切防げません。
性病にかかりたくなければ、コンドームを使いましょう。
避妊も女性だけの問題ではありません。男性にはコンドームをしっかり使って貰う。更に確実に自分の体を守るためピルも使う。
W使いが当たり前になって欲しいです。
できれば禁煙する
ピルを服用し出して体が慣れるまでに起こりがちな副作用は
- 乳房が張る
- 頭痛
- 気分が悪い、吐き気
- 少量の不正出血
など軽いものが主です。ところがピルの副作用として1つだけ、怖いものがあるんです。
それが血栓症です。
血栓症って聞きなれないかもしれませんが、脳梗塞や心筋梗塞という病名なら聞いたことがあるのではないでしょうか?ピルによる血栓症は、1万人に1人と言われていて確率としては低いんですけどね。
ただし喫煙者の場合、ちょっと事情が異なります。喫煙者は元々血栓症リスクが高いんです。
更にピルには血液が固まりやすくなる作用があるので、喫煙者がピルを服用すると血栓症や心筋梗塞のリスクが上がってしまいます。
血栓症が厄介なのは、無症状なことが多くある日突然発症するところ。なのでアナタが喫煙者でピルを始めたい場合は、これを機に禁煙するか、病院でしっかり相談・定期検査するつもりでいて下さいね。
まとめ
妊娠・月経がコントロールできるだけでなく、婦人科系の様々な病気・不調にも効果がある低用量ピル。
上手に取り入れられれば、女性にとってとても良い物なんですね。
私はピルの便利さは、スマホみたいなものだと思っています。ネットができて、様々なアプリが使えて…生活を便利にするための必需品。でも一方で使い方やセキュリティ対策を誤ると、問題が起きる。